Saturday, June 10, 2006

カードは手の中に

 カードを取り出す。裏返しにふせたカードを右まわりに回してシャッフルする。カードを集めて3組に分けて、それの順番を直感で入れ替える。上からカードをひく。それを順番に、十字を描く形で置いていく。ダイヤモンドクロススプレット。いちまい。にまい。さんまい。よんまい。【節制】【塔】【夜】と・・・

 出てきたカードに何らかの意図を感じずにはいられないのだが、カードを引くのはまったくの偶然である。その偶然に運勢が読み取られるという。仕組みや霊感についてはよくわからない。ただ、「こうあらねばならない」と常に考えている人生について、思惟を超えて超越した偶然という遊びがあるのだな、と思う。

 そして、そのカードを読み取るのは自分自身の思索。つまり、直感と経験と理性、とで読み取ろうとする。
 並べたカードで自分自身の運命を構築する。過去と現在と未来の物語を作る。面白い。

 カードをひくのも自分、並べるのも自分、それを読み取るのも自分なら、いまの自分が置かれている環境というものも、このカードを引いて並べたように、偶然と因果がある。

 けれども生きて行くのは自分自身で、カードとは違う。つまり、僕は計り知れない運命を作っていると同時に生きている。単純化できないことだってたくさんあってわかるわけがない。暗中模索。酔生夢死。そんなあたりまえのことに、出てきた運勢よりも驚く。

 カードをひく。カードを読む。
 先へすすめとカードは言う。僕はカードに言わせている。僕は自分をちょっと離れてみながら、自分を生きている。このバランスはむずかしい。読み取った運勢がなんであれ、生きて行かなければいけないのだ。だからこそ、カードをひく。それが偶然であることを確認して安心して、自分の物語を考えてみることを楽しむ。

 心配するな。先へ進め。カードはいい暗示だ。物語は語られるのを待っている。

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