Thursday, January 18, 2007

亡霊にならないために

 初夢だった気がする。地下鉄で、正月くらいに見た夢を思い出していた。

 僕に28才の自分の亡霊が憑く、という夢。
 想像できそうで、まったく想像もできない、数年未来の自分。

 その亡霊は、自殺かなんだで死んだということがなんとなくわかる。何も語らずにただ憑いているだけ。僕は、亡霊の「僕」の存在をただ感じることができる。でも、普通に仕事したりして、亡霊がいることを普通に受け入れている… 「僕」が死んだ理由を探そうとか、そういうこともちょっと考えたりもするんだけど、なにもしない。 

 受け入れてたのか? 諦めていたのか? よくわからないけど、僕はなにもしなかった。

 「過去は亡霊のようにつきまとう」という言葉は聞いたことがあるけど、未来も亡霊になるとは知らなかった。でも、そもそも過去も未来も、亡霊のようなものなのかなあ。「いま」に存在しないという意味では。 そうすると、夢も亡霊みたいなもんなんだろうか。思い出も亡霊なんだろうか。 過去と未来と、どっちの亡霊も引き連れていて、そのどっちもが「いま」の自分の時間の奪い合いをしているんじゃないか… 

 いやまて、そもそも僕はどっちに生きてるんだっけ? 「ここ」で「いま」に生きている。 その「いま」を感じる感覚は、過去の経験から作られて来て、その意味では僕は過去の産物だと言える。 だとしたら、亡霊は過去ではなく、未来のほうか? 過去も未来も、どっちが亡霊にしろ、それの存在を証明するのは「いま」なのだが、結局「いま」に生きる僕は、どっちも証明できないので(亡霊の証明、というのも変な話だ) 過去も未来も、どっちも立派に亡霊なのか?

 僕に憑いている「僕」は亡霊なので、語ることもできず、その時間は止まってしまっていた。
 僕が28になって、「僕」が亡霊になった歳と同じになっても、僕は死なないかもしれないし、死ぬかもしれない。
 僕がいる場所以外の、亡霊の場所に自分の居場所を探そうとしても、それは行き着くところではのないだろう。

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