泥濘に住む男#1 (story)
バスタブで泣いた。アルコールの力を借りたとはいえ、自分にこんな感情があるとはわからなかった。涙も声も心も、お湯と一緒に排水溝に吸い込まれていく。一人で泣けてよかったと思った。もし誰かといたら、ばらばらになってしまう。共犯者にはなれないよきっと。覗き込んでみた闇を、私は愛している。けれどもそれがどのくらいの深さかは今でもわからないままでいる。闇の深さも、私がそれをどのくらい感じているのかどうかも。
泥濘より世界へ。 これはまだ便りをもらったことのない 友人への便りです 自然の言葉を まだ見ぬ手に委ねます どうか優しい皆さん 私を優しく裁いて下さい
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