カモメ
ちょっと風邪をひいた。
たいしたことはないんだけど、ちょっと体がだるいのと、のどが少し痛い。
考えれば、いままでちょっとテンション高すぎた。のんびりしよう。
ワニ君から教えてもらった野狐禅のアルバムを、繰り返し聞いている。繰り返し。何度も。
「僕はもう疲れきってしまってね
部屋のカーテンを 全部閉めきったんだよ
僕はもう疲れきってしまってね
ダンボール箱の中に 閉じこもったんだよ」
野狐禅「カモメ」
本を読んでいる。
最近読んだ本。「人間の土地」サン・テグジュペリ 「東方綺談」マグリット・ユスナール 「幻談・観画談」幸田露伴
「詩としてのセックス」ジャネット・ウィンターソン
僕は、幻想的な話にとても捕われてしまう。物語が、欲しい。詩が欲しい。
言葉にできないこと、まだ見つけられないことがそこにあるような気がする。
「青を塗って
白を塗って
一息ついてから
最後に僕の気持ちを塗った
空の絵を描いていたつもりが
海みたいになってしまって
ひらきなおって カモメを描いた」
ゆっくりと、心の輪郭をなぞるように、音楽と言葉は流れ落ちて、僕は自分の孤独に触れる。
縁取られたそれを、暖めようとして、目を閉じて息をする。
嫌いじゃないな、この感じ。風邪ひきなのも。一人なのも。
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