Thursday, February 09, 2006

カモメ

 ちょっと風邪をひいた。
 たいしたことはないんだけど、ちょっと体がだるいのと、のどが少し痛い。
 考えれば、いままでちょっとテンション高すぎた。のんびりしよう。

 ワニ君から教えてもらった野狐禅のアルバムを、繰り返し聞いている。繰り返し。何度も。


  「僕はもう疲れきってしまってね
   部屋のカーテンを 全部閉めきったんだよ
   僕はもう疲れきってしまってね
   ダンボール箱の中に 閉じこもったんだよ」

     野狐禅「カモメ」


 本を読んでいる。
 最近読んだ本。「人間の土地」サン・テグジュペリ 「東方綺談」マグリット・ユスナール 「幻談・観画談」幸田露伴 
 「詩としてのセックス」ジャネット・ウィンターソン
 
 僕は、幻想的な話にとても捕われてしまう。物語が、欲しい。詩が欲しい。
 言葉にできないこと、まだ見つけられないことがそこにあるような気がする。
 

   「青を塗って
    白を塗って
    一息ついてから
    最後に僕の気持ちを塗った
    空の絵を描いていたつもりが
    海みたいになってしまって
    ひらきなおって カモメを描いた」


 ゆっくりと、心の輪郭をなぞるように、音楽と言葉は流れ落ちて、僕は自分の孤独に触れる。
 縁取られたそれを、暖めようとして、目を閉じて息をする。

 嫌いじゃないな、この感じ。風邪ひきなのも。一人なのも。